創造性ということばですが、良く似たことばに独創性というのがあります。
昔は独創性を良く使いましたが、最近では創造性を良く用います。
ともに新しいことを考え出すという意味ですが、独創性の場合は、ごくまれな天才的な人物が考え出すというイメージが強いのに対し、創造性の場合は、万人がその能力を生まれながらに持っており、これをいかし伸ばすという考え方が、強調されるところが違います。
アメリカのGEという会社のスティーブン博士が、歴史上天才といわれた人の生涯をくわしく調べてみたところ、意外なことにきわめて平凡なことをやっていることがわかり、むしろ世間からは劣等者とみなされている場合があったことがわかりました。
天才というのは、万人が共有している能力を誰よりも熱心に伸ばしたのであり、私たちも同じように努力すれば、天才といわれた人たちに限りなく近づけることがわかったのです。
その万人共有の能力を、「創造性」と名づけたのですが、これは古くからの日本のことばでは知恵というのが、いちばんピッタリしているといえます。
宗松潤一郎(インテリアプランナー)