花芽はその後、がく-花弁ー雄ずい-雌ずいの順序で初生突起を生じ、だんだん器官の形に発達して形を完成し、大きくなるにつれて花粉、胚珠などができて蕾になるのである。
一つの花のでき方は以上のようであるが、花の咲き方にはいろいろあって、フジのように花穂をつける種類やサクラのように一つの花芽から数個の花を咲かせるも
の、アジサイなどのようにたくさんの花が集まって一つの花になっているものなど、種類によって特徴がある。
花芽分化後における環境もまた花芽の発達に重大な影響を持っている。
キョウチクトウ、サルスベリのように暖地系の庭木は別であるが、日本、中国、北アメリカなど温帯産の庭木は、花芽分化後に一度冬の寒さに合わないと花芽が正常な発達をせず、春になってもよい花が咲かない。
庭木として使う花木は、ほとんどこのような低温開花のタイプである。
ボケ、サンシュユ、アメリカヤマボウシ、レンギョウ、アジサイ、モクレン、カイドウ、ボタン、サクラ、ウメ、モモ、ツツジ、野生バラ、コデマリ、ユキヤナギ、オオデマリ、タニウツギ
宗松潤一郎(インテリアプランナー)