花芽発達の経過は、庭木の整姿・剪定に重要な関係がある。
さきに、フジやカイドウを梅雨ごろに切ると、翌年の花芽になる芽が伸びだすことを指摘したが、これはフジの花芽分化期がちょうど6月中旬の梅雨期にあたるので、8月以降に切ればこのようなことは起こらない。
花芽の発達の速さは、樹種によって違う。
たとえばキンモクセイは8月上旬に分化を始め、二か月あまりでもう開花する。
このような木は剪定時期についてあまり神経を使う必要はないが、たいていの花木は花芽分化の前に前〃定をすませておかないと、せっかくの花芽を切り捨ててしまい春の花が淋しくなる。
花芽は内部で器官の形成が終わるとしだいに大きくなり、肉眼でも識別できるようになる。
宗松潤一郎(インテリアプランナー)