無思慮に拍手する人も困ります。
演奏が終わって、まだ余韻を楽しむべきときに、終わった終わったとばかりに拍手をする人たちがいるのです。
これでは鑑賞にもなにもなりません。
また、楽章の間にうっかり拍手をする人もいます。
これなどは音楽の教養不足を暴露しているようなもので、いただけません。
失笑の的となってしまいます。
アンコールの拍手も、二回まではいいでしょうが、それ以上を要求するのはかえって演奏家に失礼です。
ただでもう一曲聴こうとばかりに拍手しているようで、見苦しいものです。
このように、やみくもに拍手すればいいというものではなく、拍手にもちゃんと約束ごとがあるのです。
だから慣れない人の場合は、拍手をしたいと思っても、まわりの人より一拍遅れて手をたたきはじめる程度にしたほうが無難です。
宗松潤一郎(インテリアプランナー)