日本では、正月ごとにひとつずつ歳をとるかぞえ年が定着していたため、特に誕生日を祝う習慣はありませんでした。
しかし、一年目の初誕生だけは、昔から、餅をついて赤ちゃんの健やかな成長を祝ったものです。
餅は「力もち」とのごろ合わせで、丈夫に育つようにとの願いがこめられています。
現在でも、地方では、親族を招き、餅をついて祝い膳を囲むところがあります。
しかし、一般的には、家族でローソクを一本立てたバースデーケーキを囲み、ごちそうを作ってお祝いすることが多いものです。
「えらびどり」という中国から伝わった風習の残っている地方もあります。
赤ちゃんのまわりに筆、そろばん、はさみなどを並べ、どれを取るかによって、将来どのような職業につくかを占うものです。
内輪でお祝いするのですから、ゲームのひとつとして「えらびどり」をしてみるのも楽しいものでしょう。
宗松潤一郎(インテリアプランナー)