どんな住まいでも、必ずメンテナンスが必要となります
待望のマイホームを手に入れた時から、住まいのメンテナンスが始まります。どんなものでも、購入したときは、新鮮で、故障も少ないのですが、時が経つにしたがい、老朽化してゆきます。時の年輪を重ねた重厚味、粋に枯れた味わいもあると思います。出来るならカッコ良く美しく老いたいものです。建築も生きています。愛情をもって家族同様に日々ありがとう、元気?などと声かけ出来る様な、また答えてくれそうな家であり住まう家族であればと願っています。
そこで、住まいでも、必ずメンテナンスが必要となります。メンテナンス次第で、少しでも老朽化を防ぎ美しく快適な状況で保持することも可能となります。メンテナンスは、早ければ早いほど手間をかけず痛みの進行を防ぐことができます。
それでは、どのようにしてメンテナンスをしたらよいのでしょうか。その考え方、対処のしかたなどを分かる範囲でまとめてみました。日頃のお手入れの参考にでもなれば嬉しいです。
屋根・雨漏りのお話
屋根のお手入れ(その1)…震動によるずり下がり、瓦の被害
地震や台風の後とか、車などの震動による影響、人が屋根に登った後などに瓦のずり下がりがみられます。
台風によって瓦がずれるのは、風圧や風の吸引力などによって瓦が持ち上げられるからです。特にケラバ(屋根の勾配になっている側の先)や軒先は、風によってはがされやすい場所なので、釘や銅線で固定されていますが、釘の腐蝕や銅線が切れていないか、またズレがないかなどの点検が必要です。
屋根のお手入れ(その2)…人による割れ
屋根の点検またはテレビアンテナを取りつけるなど、人が登って瓦を割ることもあります。瓦屋根に登るときは底のやわらかい履物で、瓦の谷の部分の重ねた箇所にのるように注意して歩いてください。瓦屋さんはそうします。ほかの部分は瓦の下にすきまが多く割れやすいのです。屋根に登るとか高い処は時として気持ち良いのですが瓦の為には宜しくない。
屋根のお手入れ(その3)…凍害
燻し瓦は、焼成温度が普通850~1000度です。これより高い温度で焼いた耐寒力の強いものもありますが、焼成温度が低いと耐寒力が弱く、山間部などの寒冷地では凍害の心配があります。上質の塩焼き瓦や釉薬瓦は吸水率が低く、凍害の心配が少ない瓦です。
雨漏りのお話
建物にとって雨漏りは最大の敵です。雨漏りを生じたときは、すみやかにその原因をつきとめて対策を講じなければなりません。雨漏りの原因にはいろいろの場合が考えられますが、まず一番多いのが屋根からの雨漏り、つぎに開口部(窓・出入ロ・換気口など)・戸袋まわり・手すり・天窓・煙突まわり・壁面・樋などがあげられます。室内から見た雨漏りの場所で、雨もり箇所を発見するのはなかなか困難なことです。ひとたび屋根裏へ浸入した雨は、横へ走る場合が非常に多いのです。小屋裏には垂木・母屋・桁・梁・電線など、いろいろな部材がありますので、それらを伝わって思わぬところで室内側にあらわれることがあります。また、野地板をつきぬけた釘を伝わってもる場合もあります。
台風時などには、普段と違った降雨量や風向きによって、思いもよらない場所で雨漏りが起きることがあります。雨漏りの原因を調べるには、いろいろ方法が考えられますが、なんといっても降雨時に見ることです。雨水の流れ具合、樋の水のあふれ具合、屋根裏の状態など、よく観察すれば原因はある程度つかむことができます。専門家を呼ぶ場合でもその場面を見せる事を薦めます。都合が悪ければビデオにでも撮っておいてください。
屋根からの雨漏り → 1.屋根を考える
屋根勾配が充分であるとよいのですが、和風建築などで屋根勾配のゆるいバランスのとれたフォルムは美しく個人的には好みでは在りますが、あまりゆるい勾配ですと、風の吹きあげ具合によって雨水が逆流して、雨漏りの原因になることがあります。また、屋根の形は複雑な形を避け、なるべく単純な、しかも雨水がすぐ処理されるような屋根が好ましいのです。
つぎに、樋の中に落葉が詰まるとか、鳥の巣など、異物がはいり、水があふれて雨漏りの原因になることもあります。
屋根からの雨漏り → 2.雨戸を考える
開口部は、ときが経つにつれて部材の収縮・変形などにより、雨水の浸入しやすい状態になっていることがあります。雨戸はできるだけ設けた方が好ましく、雨漏り防止はもちろんのこと、防音・保温・防犯にも有効に働きます。意匠は別として最近では雨戸シャッターなどもその一つです。
屋根からの雨漏り → 3.防水の不具合
アスファルト防水、その他化学防水などの屋根・バルコニーなどについては、原因が非常に複雑な場合が多くてなかなかわかりにくいものです。専門家に現状を見せて、よく調べてもらう必要があります。基本系は、自然に逆らわず、雨は家の外に流す、なるべく谷を作らず、溜めずに水の流れ計画してあげる事。木造でのバルコニーなどは細心の注意が必用です。
壁からの雨漏り
壁から雨がもる場合は、いろいろの原因が考えられます。壁の仕上げ材料としては、塗壁・板張り・金属板張り・スレート張りなどの各種類があって、壁からの雨漏りも、その使用された材料ならびに工法によっていろいろと違ってきます。
金属板・板張り・スレート張壁関係からの雨漏り
塗壁にくらべて故障は少ないのですが、継ぎ手部分のおさめ方で雨漏りの原因になることがあります。塗壁の亀裂の場合、その部分をVカットして、伸縮性のあるコーキング材を充填し、全面の上塗りをやり替えるか、亀裂部分のみを補修して色あわせするか、予算や美観の点などから判断して対処する必要があります。いずれにしても、亀裂を生じたままにしておきますと、長い年月の間にそこから壁面に吹きつけた雨水が伝わって浸入し、建物の寿命を縮める原因となります。また、壁面に設けられた電気・電話の引込みパイプ類からも、雨が伝わって壁の中にはいらないよう処置しておくことも大切です。
開口部まわりからの雨漏り…窓まわり
開口部で雨漏りが起こるのは、窓まわりが最も多く、ついで出入口、小屋裏の換気口、換気扇の排気口などがあげられます。窓まわりの雨漏りの場合、住宅の窓まわりは引違い方式が多く、その雨仕舞い方法もいろいろと検討されています。戸車式の場合は、レールと建具下框の間にすきまができるため、強い風雨のとき、敷居部より内部へ雨水が吹きあげられ壁面に伝い、雨漏りになることが多いのです。
開口部まわりからの雨漏り…出入り口
アルミサッシュは、木造またはコンクリート造りによって、その取りつけ方法が異なりますので充分注意しないと、その周辺部から雨水が浸入することがあります。外壁面ならびにガラス面に流れる水は相当量になりますので、周辺部に弱点を作らないよう、また生じないように日頃から点検しておく必要があります。また、できるだけ、開口部には雨戸を設けた方が、雨漏りの防止に効果があります。たまに耳にされる事があるかもしれませんが、コーキングとかシールとか言うシーリングは最後の手段で何でもかんでもシーリングとは能がないです。これは自分たちプロが肝に命ずべきことでもあります。
※換気口も要注意
換気口はその建物の意匠上、種々の形式がありますが、雨は下から上へ吹きあげられることも考慮に入れて、雨仕舞いを検討しておかなくてはなりません。ケラバや軒の深さを多くとるとか、浸入した雨水の処理について、いろいろと方法はあるかと思います。案外、小屋裏換気口は雨漏りの原因の盲点かも知れません。
瓦からの雨漏り
よくあるのは瓦の割れです。なにかの用事で屋根面を歩いたとき、あやまってよく瓦を踏み割ることがあります。そのとき、気づいて差し替えすればいいのですが、気づかなかったときは、その部分より雨漏りがおきます。また、瓦の留釘の腐蝕膨張によって瓦が割れることもあります。
つぎに、常時震動を受けるような位置(交通量の多い道路沿い、あるいは風当りの強いところなど)に建物がある場合は、せっかく葺いた瓦がずれてしまってがたがたになり、雨漏りがおきます。葺き方にそれなりの工夫を考えなくてはいけません。
つぎに、瓦が凍害にあって気がつかないことがあります。瓦が凍害を受けますと表皮がめくれたり、割れたりして雨もりを生じます。瓦表皮がめくれると水を吸い込みます。そこで建物を建てる地域によって瓦を選ぶことが大切です。特に寒い地域では耐寒性のある瓦を使用しないと、不具合ばかりおこることになります。
空調の室外機の取りつけ台および配管
2階の部屋で空調機をあとから設置するときに、その室外機を屋根の上に置いたり、また外壁部分に架台を設けている例が多くみられます。この取りつけ部分より雨が伝わって、壁の中へはいらないよう対策を講じておく必要があります。また、室外機への配管類も壁の部分を貫通しますので、よく注意して雨もりを生じないよう処置しておくのが望ましいのです。予算の都合で後でエアコンを取りつける場合もあるかと思いますが、工事途中でもしっかりと計画だけはしておかれたら良いでしょう。安さが売り物でしょうが、どうも数字が少ないのと安いとは意味が違います。きれいな建物の屋根に無遠慮に室外機が大きな顔してますよ。悲しくなります。
※テレビアンテナ
屋根に設置しないで、妻側の棟木とか母屋、破風板などを利用して取りつける場合があります。この場合、針金で支線をとって、安定よく取りつけるのが原則ですが、支線が屋根瓦をいためないように、注意して取りつけたいものです。ときどき異状がないか点検しましょう。余談ですが、アンテナを付けずに有線とか電線電柱も地中埋設にならないものでしょうかね。
竪樋のつかみ金物
竪樋を壁に取りつけるとき、壁につかみ金物を打ちこんで取りつけます。打ちこみ部分をコーキングするとか、逆勾配にならぬよう取りつけることが大切です。
樋の手入れ
雨樋は、銅板製・竹製・塩化ビニール製などがありますが、塩化ビニール製が大部分を占めています。
※清掃と勾配の点検
軒樋には、予想外にごみや泥がたまるものです。また落葉などで、落ち口が詰まり、軒樋から雨水があふれることもあります。特に梅雨の前と台風シーズン前、それに落葉の影響のあるところでは、そのシーズン中は点検と掃除を必ずやってください。
軒樋を点検したときに泥が一箇所に多くたまっているのは、その部分の樋が下がっているためです。受け金物を点検し、釘のゆるみがあればかなづちで打ちつけ、受け金物が下がっているようであれば、先を少し持ち上げて勾配の調整をしてください。
※内樋の点検
内樋は軒先近くや軒中間に樋を作って、軒先に樋をなくしてすっきりさせたものです。この内樋は落ち口を詰まらせると、雨水が樋からあぶれて室内に漏水することもあるので、普通の軒樋以上に定期的な点検が必要です。また内樋は取替えが大変ですから、充分な大きさと耐久力のすぐれている銅製にするのが望ましいと思います。
※退色・割れ
塩化ビニール樋は、古くなると退色・変色します。またもろくなった軒の樋にはしごをかけたり、物を当てたりすると割れることがあります。樋が割れてなくても、変色している場合は見苦しいものです。ペンキを塗れば見違えるようになります。
塩化ビニール樋の各部品は日曜大工材料店で買い求められますので、簡単な補修や、カーポート、物置の樋程度であれば取替えられると思います。
※変形
塩化ビニール製軒樋は熟のための伸縮とあわせて、受け金物の間隔が広すぎると、樋が波打ったり、曲がったりします。軒樋の受け金物の間隔は普通90cm以内につけますが、できれば45~50cm程度が理想的です。金属製樋の故障
銅はやわらかく、常温によって展延性も大きく、加工性のよい金属です。新しい銅は湿気のある空気では炭酸ガスによって酸化して変色し、緑青を生ずることになります。しかし、緑青は銅の表面をおおって、以後の酸化を防ぎ、防蝕作用がでてきます。ただしアンモニアやアルカリに対しては弱い性質もあります。
※変形
このように耐久力にすぐれ、優美なために高級とされていますが、軒樋の受け金物の間隔が広すぎると、急激な豪雨のときに軒樋がねじれたり、変形することがあります。特に角型軒樋は丸型に比べて、厚手の銅板を使用するとか、受け金物の間隔を狭くする必要があります。
這樋,呼樋,竪樋が故障したとき
※這樋
2階の竪樋から1階の軒樋につなぐ樋で、丸型と角型があります。這い樋は、2階の竪樋の足元が横引きとなるので、雨水の流れが悪く、急激な豪雨のときには、雨水2階軒樋から1階屋根にあぶれ落ちて、1階屋根より雨もりの原因となることもありますので、竪樋を太くするか、竪樋の本数を増やせば安心です。
※呼樋
軒樋から竪樋に雨水を導く部分で、よくゴミのたまるところです。大きなゴミが竪樋に流れこみ、竪樋が詰まりますので、定期的な点検と掃除が必要です。
※竪樋
塩化ビニール製竪樋の継ぎ手は、接着剤で接着工法とします。また、金属製竪樋の継ぎ手は6cm程度差込み、外側でハンタづけをして、竪樋継ぎ手のすぐ下につかみ金物を取りつけます。
竪樋の足元は、下水会所に直接差込んでいるのが理想的ですが、会所までの横引きをできるだけ短くしたいものです。竪樋の詰まったときの掃除が楽になります。
外壁の手入れ
外壁のひび割れ
木造住宅の場合、竣工して数ヶ月たった頃からひび割れ(クラック)が発生することがあります。このひび割れを皆無にするということは、不可能に近いことです。ひび割れには、構造からくるひび割れと、伸縮からくるひび割れと2種類があります。
外壁のひび割れの原因
構造的な原因としては、基礎や軸組などの変形により起こることがあります。軒のまわりや開口部上のひび割れは、軒桁や胴差の沈下が原因で、開口部の間口が広い場合には、モルタルの重量で発生する場合もあります。このような構造的な原因のひび割れが続く場合は、根本的な処置が必要で施工した工務店に相談して下さい。
外壁面に全体的なクラックが出た場合は、下地板の反りや釘の打ち方の不良や、ラス金網の継ぎ目の処理がよくない場合も考えられます。また、モルタルの調合不足やモルタル塗厚さの不足により、クラックが発生する場合もあります。
窓などの開口部の四隅に発生するひび割れは、モルタルの収縮によるものです。窓まわりの隅にラス網を2重にしたり針金を斜めにしたりして補強はするのですが、モルタルの水、砂、セメントの調合の割合により、微妙に発生の度合いが違ってきて、完全には防止できません。
外壁のひび割れの処置
ひび割れが目立ってきた場合には、早目に専門家に相談して下さい。あまりにひどい場合には、施工段階からの瑕疵によるものもあります。
ひび割れを放っておくと、そこから水が浸透し、雨漏りの原因になるばかりか、内部のラス金網、下地板などを腐らせ、壁のモルタルの落下にもつながります。特に外壁がタイルなどを貼っていた場合、人命にもかかわる事なので、早目の処置が必要でしょう。
その処置の方法としては、ひび割れをVカットに削り、合成ゴム系のシーリング材を注入します。いずれにしても、素人ではできないので、建築士さん、施工業者さんなどに相談して下さい。
外壁の汚れ
構造的な原因としては、基礎や軸組などの変形により起こることがあります。軒のまわりや開口部上のひび割れは、軒桁や胴差の沈下が原因で、開口部の間口が広い場合には、モルタルの重量で発生する場合もあります。このような構造的な原因のひび割れが続く場合は、根本的な処置が必要で施工した工務店に相談して下さい。
外壁面に全体的なクラックが出た場合は、下地板の反りや釘の打ち方の不良や、ラス金網の継ぎ目の処理がよくない場合も考えられます。また、モルタルの調合不足やモルタル塗厚さの不足により、クラックが発生する場合もあります。
窓などの開口部の四隅に発生するひび割れは、モルタルの収縮によるものです。窓まわりの隅にラス網を2重にしたり針金を斜めにしたりして補強はするのですが、モルタルの水、砂、セメントの調合の割合により、微妙に発生の度合いが違ってきて、完全には防止できません。
外壁のひび割れの原因
外壁の汚れは、軒、庇の出の長さによるところが大きいです。軒、庇の出が大きければ、外壁がぬれにくく、強風雨以外は軒の出の浅い家よりも、外壁からの雨もりが少なくなり、壁が汚れることも少ないのです。一般に軒の出は、45~60cm程度のものが多いようですが、理想的には90cm以上ほしいところです。開口部のすぐ上に軒のない場合は、雨の吹きこみを防ぐために庇はぜひつけたいものです。軒の出の深い家は、外壁の雨水による汚れも少なくなります。
外壁のひび割れの原因
外壁の汚れは、軒、庇の出の長さによるところが大きいです。軒、庇の出が大きければ、外壁がぬれにくく、強風雨以外は軒の出の浅い家よりも、外壁からの雨もりが少なくなり、壁が汚れることも少ないのです。一般に軒の出は、45~60cm程度のものが多いようですが、理想的には90cm以上ほしいところです。開口部のすぐ上に軒のない場合は、雨の吹きこみを防ぐために庇はぜひつけたいものです。軒の出の深い家は、外壁の雨水による汚れも少なくなります。
外壁の吹付について
外壁の吹付け材は、大きく分けてリシン系と吹付けタイル系に別れます。
※リシン系吹付材
リシン系には、セメント系砂壁状吹付材と合成樹脂エマルジョン砂壁状吹付材がありますが、後者の使用が多いようです。薄吹きの場合は、耐久性がそれほどよくないので、5年程度で吹替えが必要となります。
吹付けなおすときは、もとの吹付け材の浮きやはがれ部分を充分落とし、表面のちりやほこりをワイヤーブラシかけや水洗いで落として、ひび割れなども充填材で埋め、シーラーで、吹付け壁面の下地を固着させてから施工します。この処置をいいかげんにすると、吹付けたあとで塗膜のひび割れや剥離を起こす原因になります。
※吹付けタイル系
吹付タイルには、セメント系・アクリル系・エポキシ系吹付けタイルがあります。
弾性アクリル系吹付け材は、下地の小さなひび割れに対処できる材料ですので、勧められる仕上げ材です。ただし防水性のある材料ですから、裏に水がまわるとふくれができることがあります。樹脂系吹付け材は、5年程度でつやがなくなり、指でさわると白い粉がつくようになれば、クリヤーの上塗り塗装をすると塗膜の保護にもなり、元のような外観を保ちます。
外壁のひび割れの原因
外壁の汚れは、軒、庇の出の長さによるところが大きいです。軒、庇の出が大きければ、外壁がぬれにくく、強風雨以外は軒の出の浅い家よりも、外壁からの雨もりが少なくなり、壁が汚れることも少ないのです。一般に軒の出は、45~60cm程度のものが多いようですが、理想的には90cm以上ほしいところです。開口部のすぐ上に軒のない場合は、雨の吹きこみを防ぐために庇はぜひつけたいものです。軒の出の深い家は、外壁の雨水による汚れも少なくなります。
外壁の手入れ
※日頃の手入れ
アルミサッシュは、表面に付着した金属粉が太陽熱・日射・雨水などの作用で腐食をおこしたり、大気中の亜硫酸ガス・排気ガスなどが原因でアルミの腐食を早めたりします。
簡単な汚れの場合は、乾いたやわらかい布で拭くか、湯で洗った柔らかい布で定期的に拭いて下さい。汚れがひどい場合には、中性洗剤を用いて荒い、水洗いをした乾いた布でふき取って下さい。水には、メチルアルコールを5~10%くらい入れるとよく落ちます。
このような手入れを月に1回くらい行えば、サッシュの痛みを遅らせることができます。
※開口部のコーキングについて
ほとんどの住宅がアルミサッシュを使用しており、ほとんどが開口部廻りにシーリングを施しています。
シーリング材は紫外線による影響のほか、外装仕上げ材の温度変化による伸縮の影響を受けて、シリング材自体が変形を繰返して、徐々に硬化したり老化して肌離れや破断が生します。そのため、場合によっては室内への漏水が起こることがありますので、定期的なシーリング材の交換が必要です。使用材料によって交換時期が違いますが、およそ2~5年ぐらいが普通です。
サッシュの腐蝕
腐蝕してしまった場合は、普通の銀色アルマイトで軽度のものは、細かいサンドペーパーなどで錆びを落として、透明のクリヤーラッカーなどを吹付けておけば、それ以上のアルミの腐蝕進行を防ぐことができます。ただし、着色のアルミサッシュの場合またはひどく腐蝕したものは、サッシュメーカーなど専門業者に相談した方がよいと思います。
参考記事
本願寺伝道院で素屋根工事開始 明治期ドームの雨漏りに”鉄骨傘“
2004年2月11日
明治時代のれんが建築で京都市指定文化財の「本願寺伝道院」(京都市下京区)の雨漏りを防ごうと、建物を覆う素屋根の工事がこのほど始まった。所有する浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)は「修復工事が未定のため、被害を抑える応急措置」としている。
本願寺伝道院は、れんが造り二階建てで、1912(明治四十五)年に完成した。ドーム型の塔屋が特徴で、西本願寺の東約百メートルにある。
外壁のはく離や雨漏りが進んでいるが、修復は約十億円の費用が見込まれ、未着手のまま。五年前から周囲や屋根を保護シートで覆ってきたが、雨漏り被害が完全に防げないため、約八千万円をかけて鉄骨の素屋根を建設し、すっぽりと建物を覆うことにした。三月末までに完成する。